
井の頭公園検定公式問題解説集
あれは、2012年10月の下旬。トーキョー学生図鑑のディレクター・海野さんから一本の電話が。「『いのけん』っていうのがあるんだけど、いのけんさんと一緒に受けに行かない?」と、半ば無理やり誘われたのが始まりでした。
そもそも「いのけんって何? いのけんさんって誰?」という疑問を抱きつつ、やんわり断ったはずだったんですが……。数日後、僕の手元には『いのけん公式問題集』と受験票がありました。ちょっと、海野さん!
僕らが「いのけん」を受ける理由

僕が通う成蹊大学。
ここで自分のことを簡単に紹介しておくと、僕は成蹊大学に通う、ごく普通の大学生です。満月の日には本来の姿に……なんてこともなく、音楽とお酒が趣味のただの狼男です。あ、間違えました。男の子です。
まず、このコラムを書くことになった経緯を説明しましょう。トーキョー学生図鑑の編集チーム(オトナ)に「いのけんさん」という人がいます(本名は、井上健太郎さんといいます)。もともとは、「いのけんさんが、いのけん受けに行ったら面白いんじゃね?」という、ただのノリでスタートした企画。
で、せっかく受けるなら井の頭公園にゆかりのある学生と一緒に受けに行こう、という流れで、僕にお声がかかったってわけ。さらに、ついでに原稿も書いてくれって、ちょっと、海野さん!


たしかに、成蹊大学はキャンパスが吉祥寺にあるので、井の頭公園はとても親しみのある場所です。お花見やらデートやら、いつも何かとお世話になっていますよ、でもね……。
結局「いのけん」って、どんな検定?
やっと企画の経緯がわかったところで、「いのけんって、いったいどんな検定なの?」という疑問にお答えしましょう。「いのけん」こと「井の頭公園検定」実行委員会の事務局、垣花満さんにお話をうかがいました。
――どうして、この検定を始めたんですか?

――地域の人たちの反応・反響は?

――第1回(2012年12月に実施)は、1級の試験はないんですよね?

ちなみに、試験はマークシートの択一式で100問。1問1点で、60点以上で3級に、80点以上で2級に合格。問題は、『いのけん 井の頭公園検定公式問題解説集』の中から出題されます。
例題は、「歴史と文化」「自然と環境」「自然文化園」「周辺の関連」の4ジャンルに分かれていて、たとえばこんな感じ。
「井の頭池のボート伝説」では、恋する2人がボートに乗ると別れてしまうのは、誰の嫉妬のせいだと言われている?
1吉祥天 2弁財天 3大黒天 4白蛇 (正解は 2. 弁財天)
問題
アジアゾウのはな子が、井の頭自然文化園でくらすことになったのは、何歳のときですか?
10歳 27歳 310歳 (正解は 2. 7歳)
公式問題解説集から、そのまま出題される問題もあれば、アレンジされた問題もあるそうで、2級の80点超えはけっこう難関かも。
勉強がてら、井の頭公園に行ってみた

さて、「いのけん」受験のほうに話を戻しましょう。井の頭公園には何度も行ったことがあるし楽勝〜、なんて甘く見ていた僕は、試験数日前にやっと公式問題解説集に手をつけることに。すると、意外と知らないことも多いし、なんだかはかどらない。
やっぱり、実際に行ってみなきゃわかんないでしょ、ってことで、いのけんさんと一緒に公園で勉強することに。
とりあえずベンチにでも座って問題集を……と、思ったら何やら楽しそうな音楽が! 勉強しなくちゃ!! 誘惑に負けたら男じゃないぞ!!! 何のために公園に来たんだ!!!! 必死に自分に言い聞か……
で、結局、遊んだ。
いや〜、めっちゃ楽しかった〜。ただひとつ、今でも疑問なのが、何が楽しくて男2人でスワンボートに乗ったんだろう、ってこと(笑)。
ついに当日。ケーブルテレビから逆取材!?

そんなこんなで迎えた試験当日、朝イチで三鷹駅に集合した僕たち。会場に向かう間も、問題の最終確認をしたり、いのけんさんが開発した謎の語呂合わせを復唱したり、準備は万全。もう、そのときは満点取る勢いでしたよ(笑)。
会場に着くと、入口には「井の頭公園検定」の看板がド〜ン。中に入ると、思っていた以上に人が多くて、なんと三鷹市長も受験に来てるとか。市長の結果が気になるところですね(編集部注・市長は2級に合格したそうです。さすが!)。

申し込み時期が近かったからか、仲良く前後で受験。
いざ試験開始! 1ページ目からわからない問題が……さっきまでの勢いは、どうやら入口に落としてきてしまったようです。見つけた方はご連絡お願いします。

とりあえずマークシートを埋めて会場を出ると、そこにはものすごい数の報道陣が……なんてことはなく、地元のケーブルテレビの取材を受けました。いのけんさんも終わったところで答え合わせ。この時点で、けっこう間違えていることが判明し、軽くへこんだのは言うまでもありません。
そして結果は、というと……

合格すると、認定証とバッジがもらえる。
無事に「3級合格」を果たしました!(いのけんさんも)。ちなみに今回の合格者は、2級3級を合わせると、なんと9割以上。なので、欲を言えば2級に合格したかったけど。
問題集を読んでなければ、60点以上なんて絶対とれないはずなので、みなさんマジメに勉強していたんですね。試験後、事務局には「来年もまた受けます!」なんて、お礼の手紙やメールも届いたそう。
いや〜、しかし本当に落ちなくてよかった。ちなみに、いのけんさんは「いのけん歴30年以上なのに、3級って……」と、リアルに落ち込んでました。

認定証に3級合格者の順位が書いてありました(赤丸)。僕43位、いのけんさん73位で僕の勝ち。
正直、電話をもらった当初は、あまり(まったく?)乗り気ではありませんでした。でも、いざ受けるとなると、けっこう本気になっちゃうのが検定の面白いところ。
詳しいと思っていた井の頭公園にも、知らなかったエピソードがたくさんあって、今じゃ友だちと公園を歩いてるときにも、豆知識を披露するように(笑)。
「いのけん」は、もちろん今年もあるそうなので、次こそは2級合格を目指して頑張ろうかなって思ってます。どうですかね、いのけんさん?