人生初の女子大進出! ということでワクワクしながら多摩センター駅からの送迎バスに飛び乗った私。今回、飛び入りで参加させてもらうのは、東南アジアの女性と子どもの問題を研究している、恵泉女学園大学人間社会学部3年の堀ゼミです。
少しだけ自分のことを紹介しておきますと、ふだんは大学で法律を勉強しています。といっても、実際は法律以外の分野に興味があって、学部外の「国際協力プログラム」というフィールドワークを中心としたゼミにも所属中。今回の堀ゼミには海外に体験学習に行く人が多いということで、そんなところも興味をひかれた理由だったんです。
学校に着いたのは、ちょうどお昼どき。外のベンチでは、学食やお弁当を持ち寄ってランチを楽しんでいました。お菓子やケーキを食べてる人もいて、う〜ん、まさに女子会って感じ? 女子大って、おっとりした子が多いのかと思っていたんですが、みんなワイワイおしゃべりしたり笑ったり、自由に過ごしている感じがしましたねー。
卒論テーマ決定を控えた新学期の授業へGO!
さて、余談はこれくらいにして、いよいよゼミの教室へと向かいます。恵泉女学園大学では、1年生から4年生まで毎年ゼミがあるそう。まず1年の基礎ゼミでレジュメのつくり方やプレゼンの仕方を学び、2年生になると自分の関心のある分野に分かれます。そして、3年&4年のゼミは持ち上がりで、最後に卒論を書くという流れ。
この日は、新学期第1回目。大学の先生というと、私の中ではスーツで決めてるというイメージだったのですが、堀先生のカラフルでエスニックかつカジュアルな服装にまずびっくり!
ちょうどゼミ生たちは今、卒論のテーマ決めや文献選びを控えているところで、GW明けからは個人発表に入るのだとか。2年生のときからの持ち上がりが約8割ということで、今日の授業は昨年度の復習がメインでした。
授業の冒頭は、「ゴミに生きる人々」というビデオを観るところから始まります。ゴミを拾いながら、生きるために必死に働く子どもたち。あるひとりの子の「生まれたときから社会人でした」という一言が、とても心に響きました。
それが終わると、帝国主義、東西冷戦からグローバリゼーションまで、なぜ東南アジア諸国に不均等発展が起こったのか、復習を兼ねた講義に。その中で、私がかなり動揺したのが、地図の描かれたプリントを使った小テスト(?)のようなもの。
「東南アジアの国名と首都、旧宗主国を書いてみて!」と先生。「や、やばい……」と、オロオロしている間にも、まわりのみんなはスラスラと書き込んでいきます。気をつかっていただいて、私があてられることはありませんでしたが、かなりドキドキ。
そうこうしているうちに、あっという間に授業は終了。授業後、堀先生からあらためてお話をうかがいました。
ーー堀ゼミの一番の特徴って何でしょう?
テーマが東南アジアということもあって、毎年1〜2週間のフィールドスタディ(FS)に参加する子がとても多いこと。私のゼミの子たちは、フィリピン、カンボジア、インドネシア、バングラデシュなど途上国に行く人が多いですね。
ーー「FS」では、具体的にどんなことをするんですか?
短期の場合は、フェアトレードの生産者の村や、農地取得闘争をした村、スラムなどを見て回ります。その他に、タイに半年行く長期FSもあるんです。実際に人身売買の被害者を保護している団体にひとりで行ってインタビューをしたり、インターンをしたり。タイ語と現地実習とレポートで、16単位がとれるプログラムです。
ーー女子大って、おっとりした人が多いと思ってたんですが……。
いえいえ、むしろハキハキした子が多いんです。とくにウチのゼミをとっていると、負けずに言い返せるようになりますね。私のせいかな?(笑) 説明が論理的でなかったり、逃げる姿勢がいやなので、レジュメひとつでも細かく追及する。厳しいと言われることもありますが、ついてくる子はついてくるので気にしません(笑)。そのおかげか、就職をちゃんと決めてくる子が多いのが自慢ですね。
ーーすごく先生と生徒の仲がよさそうな感じがしました。
持ち上がりも多いし、一緒にFSに行く子たちもいるので、自然と仲よくなりますね。あとは、月に1回はゼミ会をやるようにしています。あ、そのときもお店は東南アジア系で、みんなでタイ料理屋やカンボジア料理屋に行くんですよ。
少人数なところが◎ 私が通う大学との違いはココ
さて最後に、私の通う大学との違いをいくつか。まず、ゼミの人数が半分くらいで、「あれ、こんなに少なくていいの?」というのが、最初の正直な印象でした。でも、実際に授業を受けてみると、そこがいいところだと思うようになったのです。
なにより授業が丁寧。板書ひとつをとっても、ウチの大学のゼミではキーワードを書いてくれるくらい。今回、私もノートをとっていましたが、なんと全4ページにも! みんなカラフルなペンでノートをまとめながら授業を聞いていました。一人ひとりが自分の興味を深めやすいように、考え方の手順まで説明してくれる。学生視点から見て、非常に学びやすい環境だと感じました。
また、持ち上がりの人たちが多いことからもわかるように、1年生、2年生のときから同じテーマを継続して学べるというのも、うらやましい点。
そしてもうひとつ。これも少人数のメリットなのかもしれませんが、先生がとてもフレンドリー。「ただちゃん! これ答えて〜」「いくちゃん! これ覚えてる?」
ニックネームで呼び合ったり、アットホームな雰囲気がすごくステキ(もしかすると、これは堀先生のキャラクターが大きいのかもしれませんが笑)。
そういえば、お昼をご一緒したCA(キャンパス・アテンダント!)の細川さんも、「恵泉女学園大学は、先生が学生全員の名前を覚えている」と言っていました。
初の女子大&ゼミ潜入、いかがだったでしょうか。今度はぜひ、海外でのフィールドスタディにも飛び入り参加して、取材をさせていただきたい気分です!
・ 少人数でとってもフレンドリー
・ 考え方のフレームワークを教えてくれる
・ 教室を離れ実地で学ぶ「FS」が魅力的
■ ゼミ紹介
恵泉女学園大学
人間社会学部 堀ゼミ
児童労働、人身売買、ストリートチルドレン、子ども兵士、エイズ、女性の移住労働など、東南アジア地域のジェンダーと子どもの問題がテーマ。グローバリゼーションが進む中でどんな問題を抱えているのか、また問題解決のための国際機関やNGOの取り組みについても学んでいる。