編集部がおじゃましたのは、恵泉女学園大学人文学部日本語日本文化学科3年の山田ゼミ。担当の山田昌裕先生によれば、同大学では1年から4年生までゼミがあり、山田ゼミでは言葉の使われ方の変化を研究しているそうです。
そもそも“ヤバイ”って、どこがヤバイの?
……で、先生。一応、授業の前に聞いておきたいんですが、“ヤバイ”って、いったいどこらへんがヤバイんでしょう?

「今年は、ひとつの言葉を深く掘り下げていこうということで、4月に気になる言葉を出し合い、みんなで検討しました。その結果、テーマに決まったのが“ヤバイ”というワード。“ヤバイ”って、辞書では、危険とか不都合……なんて説明がされていますが、今はプラスの意味でも使いますよね。たとえば、美味しいとかカッコイイとか。そういう言葉の使用法の変化を分析していくんです」
なるほど、それはもう嘘偽りなくヤバイ研究ですね(笑)!! ちなみに変化の分析は、新聞・国会議事録・ブログなどから、“ヤバイ”の使用例を抜き出して行われているそう。
授業は、ゼミ生が分析した結果を発表する演習形式で行われます。
さっそく、先生の司会で発表がスタート!
さてさて、こんな調子で授業は続きます。学期末には、各自がすべての発表の成果をレポートにまとめるのだそう。きっとみんな、前期の授業だけで、とんでもない数の“ヤバイ”を口にするんでしょう。
データから情報を読み取り、考える力を身につける

授業後、編集部が先生の顔写真を撮影していると、「私も撮っちゃお!」とケータイ片手にゼミ生が集まってきました。
話を聞いてみると、「みんな、先生のほかの授業もとっています。だから、すごく仲がいいんです」「本当に毎回にぎやかで、とにかく先生の話が面白い!」などなど。どうやら今日は取材だったので、みんな少し緊張していたようです。
先生も「授業のメインは学生。だから、堅苦しくマジメにやるより、自由に発言できる雰囲気にしたい」と、和気あいあいとした授業を目指しているとのこと。

「ゼミ生には、なんでもいいから、まずは考えてみろと言っています。最初は、無理やりつくった“でっちあげ”でもいい。あとからきちんと説明することができれば、それは正しい理論になりますから。ゼミでは言語について学んでいますが、データから何を読み取って、自分の行動にどう結びつけていくかを身につけてほしいですね。それは、社会に出てからも必ず役立つ力になると思うので」
そんな指導の結果(?)か、今では全員かなりの“ヤバイ”中毒。友だちと会話していても、「今の“ヤバイ”って、どういう意味!?」なんて考えてしまうとか。
言葉への情熱、アットホームな雰囲気……いろんな意味で、超ヤバかった山田ゼミ。今後も“ヤバイ”研究、がんばってください!!
・ データを分析することで、考える力が身につく
・ 主役は学生! 自由に発言できる雰囲気が◎
・ ゼミ生が仲よしでにぎやか(取材時はちょっと緊張)
■ ゼミ紹介
恵泉女学園大学
人文学部 日本語日本文化学科 山田ゼミ
研究テーマは言語文化。主に「コーパス」と呼ばれる手法で言葉の用例調査を行い、分析を行う。3年時には調べ方や分析方法を学び、4年時に卒論としてまとめる。これまでの卒論テーマの例として、マンガが外国で出版される場合に擬声語・擬態語はどう翻訳されるのか、通常は使われない役割語(たとえば「ワシは〜」「〜じゃ」といった話し方)が不自然に感じないのはなぜか、など。
山田先生
町田さん
みんな
町田さん
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山田先生
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山田先生
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山田先生
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山田先生
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山田先生
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山田先生
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山田先生
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