今回、先輩が潜入したのは、杏林大学「総合政策学部」のオープンキャンパス。「先輩って、すでに大学生なんじゃないの?」という疑問はさておき、心配なのは天候です。前回、記念すべき第1回目は衝撃の土砂降り、まさかの雨男疑惑がかかっているのです。

個別相談会で質問! 総合政策学部って、どんな学部? 

まずは、学部・学科や入試についての説明会に参加した先輩ですが、まだまだ総合政策学部についての理解はあやふや。ということで、次は個別相談会におじゃますることに。個別相談会では、教員と在学生が、学部や大学生活のこと、卒業後の進路のことなど、さまざまな質問に答えてくれます。

トキヲ先輩

個別相談しにきたんだけど?

田中さん

先輩ようこそ!

トキヲ先輩

で、キミ何年?

田中さん

田中美帆、1年です。

トキヲ先輩

説明会でも聞いたけど、ココって、どんな学部なのよ?

田中さん

経済・会計・法律・福祉・行政などに関して、幅広く学ぶことができる学部なんです!

先生

いろんな分野を学ぶことで、多様な視点を身につけ、将来の可能性を広げられるのがメリットですよ。

トキヲ先輩

で、タナカは、なんでこの学部選んだワケ?

田中さん

将来、街づくりや福祉に携わりたいと考えていて。総合政策学部なら、幅広い視野で考えられるようになるんじゃないかと思ったんです。

先生

卒業後は、企業への就職のほか、公務員や司法書士などの法律関係、税理士や公認会計士、ファイナンシャル・プランナーなど、さまざまな進路に進む人がいます。

トキヲ先輩

実際どんな授業があるの?

先生

今日は、模擬ゼミも体験できますよ。受けてみてはどうですか?

田中さん

私たち1年生が受けているのと、同じ内容の授業ですよ。

というわけで、トキヲ先輩は、模擬ゼミを受講することに……。

模擬ゼミを体験! 「もしものサザエさん―どんな人にも大切な法律のはなし―」

この日の授業を担当していたのは、藤原究(きわむ)先生。総合政策学部では、法律系の授業を担当しているそうです。

藤原先生

今日は、サザエさんの家族を例に、法律全般の話をしていきます。

トキヲ先輩

ふ〜ん、で?

藤原先生

どんな人間でも、ルールなしでは生きていけません。たとえサザエさんの家族のように、一見平和な人たちであっても……。

トキヲ先輩

なんか、イヤな予感……。

藤原先生

もしも、マスオさんが「タラちゃんは自分の子ではないかもしれない」と疑った場合を考えてみましょう。

トキヲ先輩

あのマスオが!?

藤原先生

そもそもマスオさんとタラちゃん、鼻の形も輪郭も似てませんよね。そこで疑い始めるわけです。実はこういう問題、社会では、かなりの頻度で起こっています。

さて、ここからは法律の話。藤原先生によると、結婚している女性が出産した場合、その子どもの父親は必ず「夫」になるのだとか。マスオさんとサザエさんは結婚しているので、タラちゃんの本当の父親が誰であれ、マスオさんの子どもと決めつけられてしまうというわけです。

藤原先生

ただ、離婚をした場合、こんな別の問題も起こります。離婚してから300日以内に生まれた子どもの父親は、今度は「前の夫」だと判断されてしまうんです。

これが、一時話題にもなった「離婚後300日問題」。ちょっとサザエさんの話からは離れますが、たとえば夫婦関係が揉めに揉めて、離婚成立までかなり長い時間がかかったとします。それまでの間に、女性が夫以外の男性との間で妊娠したら……。

藤原先生

やっと離婚することができたのに、その男性が父親になってしまう。避けたい事態ですよね。そこで「民法774条 嫡出否認の訴え」という法律で、本当は違う男性の子どもだと訴えることができます。

トキヲ先輩

じゃ、さっき悩んでたマスオも、それを使えばいいんじゃね?

藤原先生

でも、この法律が有効なのは、子どもが生まれてから1年以内。タラちゃんの年齢は3歳ですから、比較的よく知られているこの法律では対処できないんです。

ただ、それでもまだ方法はある、と藤原先生は教えてくれました。それは「親子関係不在生存確認の訴え」(難しい!)。これ、法学部で民法をみっちり勉強した人でも知らない、かなりマニアックな法律なのだそうです。

藤原先生

ウチの学部では、民法などの法律をただ勉強するのではなくて、「問題を解決する力」を養うことが重要だと考えてます。だから私の授業でも、実社会の中で役立つ法律を選んで勉強しているんです。

その後、マスオさんはサザエさんを疑った自分に落ち込み、高額なツボを買わされそうになって……と授業はどんどん進んでいきます。他にも「サザエが花沢不動産で購入した家が、欠陥住宅だったら」「波平が三河屋さんのバイクにはねられたら」など、「あるかも! あるのか!?」という設定で、法律を学んでいきました。

トキヲ先輩

いや〜、しかしマスオがあんなことを考えてるとは!

藤原先生

あくまで「もしも」ですよ(笑)。授業受けてみて、どうでしたか?

トキヲ先輩

オイ、そこの高校生! どうだったんだ?

参加高校生

法律って、すごく難しいものだと思っていたんですが、意外に身近で面白いものなんですね。

藤原先生

今回の「離婚後300日問題」もそうなんですが、生徒からの質問をきっかけにして、授業内容を決めることが多いんですよ。

参加高校生

先輩はどうでしたか?

トキヲ先輩

いや〜しかし、マスオがあんなことを考えてるとは!

藤原先生

まだ言ってる(笑)。

トキヲ先輩

先生、とりあえず今日は(ありがとうございま)したっ!

学内散策もオープンキャンパスの目玉?!

オープンキャンパスでは、藤原先生の授業のほかにも、いくつかの模擬ゼミやキャンパスツアーなどが行われています。おっと先輩、今度は学食と学内の散策に出かけるようです。

すると、ここで朝の不安は的中。雨が降りだしてしまいました。まあ、しばらくして快晴になったので、先輩が雨男かどうかは、次回に持ち越しですね。

学部の魅力は、授業内容とキャリア支援

大盛りカレーを食べておなかいっぱいになった先輩は、図々しくもベンチでゴロ寝しはじめてしまったので、あとは編集部が取材を続けることに。話をうかがったのは、ページ冒頭の写真撮影に参加してくれたスタッフの大学生と、実際にオープンキャンパスに参加していた2人の高校生。

「気さくに話せて、リアルな学生生活が聞けました。スタッフのみなさんもやさしくてステキな学校だな〜と思いました」(岩崎晴香さん/高校2年生)
「学部で、公務員試験の対策を受けられるのが魅力的です」(佐藤由季さん/高校2年生)

将来をしっかり見据えて、大学選びをしている2人。また大学生のスタッフも、総合政策学部の学びの内容とキャリア支援の充実ぶりには大満足しているよう。

「少人数制だから、先生たちも勉強や就職の相談にのってくれるんです。また授業は、学際演習と呼ばれるプロジェクト型・参加型の授業が豊富。体験を通して勉強するから、飽きないし身が入りますね」(粟野早織さん)

ちなみに、プロジェクト型の授業では、学園祭の模擬店運営を通して、株式会社の仕組みや管理方法を学んだりするそう。実際、どんな形で行われるのか、気になるところです。先輩、次は学園祭にも来られるといいですね!

先輩の“上から目線”コメント
総合政策学部は、複数の分野を勉強できるから、まだ目標が絞りきれないヤツにも向いてるかもな。あ、藤原先生の授業、磯野・フグ田一家が波瀾万丈すぎ。しかし、マスオがあんなことを考えてるとは……(まだ言うか!)。

■ 学部紹介
杏林大学 総合政策学部

主に学ぶのは、経済・会計・法律・福祉・行政の分野。学部には、総合政策学科・企業経営学科の2学科内に計5コースがある。1・2年時のプレゼミ・基礎演習を終えたのち、3年進級時にコースを選択。学際演習が豊富で、体験を通して学びを深めているのが特徴。また、社会人基礎力を磨くため、資格・就職試験対策や、インターンシップなどにも力を入れている。