ある日、急に留学することを決めました

グローバル化が叫ばれる、このご時世、留学も昔と比べればだいぶ身近になりました。大学の留学プログラムだって充実してるし、まわりには留学帰りの友だちもけっこういる。僕も行ってみた〜い!

と言ってはみたものの、お金もないし、英語だって話せない……。でも、ここで諦めてしまったら、たぶん一生留学できないと思った僕は、旅に出ることに決めました。しかも、明日から。そう、思い立ったが吉日です。下調べもまったくしてないけど、とりあえず行っちゃえばなんとかなるでしょ!

さっそく荷造りをはじめることにしたものの、なんせさっき留学を決めたばかり。まあ、英和辞典とか、ガイドブック、会話に困ったときの指さし会話帳なんかがマストってことはわかるんですが、他に何を持っていけばいいのか想像もつきません。

どうせなら英語を学ぶだけじゃなくて、向こうで知り合った外国人に日本を紹介したい!
ということで、クールジャパンから武士道まで、関連グッズをパッキング。

ちなみに、準備したのはコレ。もっと重要なものを入れ忘れている気がしなくもありませんが、出発は明日に迫っています。そんなこと気にしていられません!

【スーツケースに詰めたもの】
・『ジーニアス英和辞典』
・『英会話 困ったときのこの一言』
・『地球の歩き方 ニューヨーク』
・『旅の指さし会話帳』フランス、スペイン
・パスポート
・武蔵大学のパンフレット
・『日本のロゴ』など単行本数冊
・『ONE PIECE』1巻〜10巻
・『週刊少年ジャンプ』
・折り紙
・急須、湯呑み、茶筒セット
・お団子、どら焼き
・道衣、袴
・刀(おもちゃ) などなど

いよいよ出発の朝、行ってきま〜す!

おはようございます。あっという間に留学出発の朝を迎えました(決めたの昨日だから当たり前)。昨晩は興奮のあまりほとんど眠れなかったけど、テンションは最高潮!

スーツケースのゴロゴロが旅気分を高めてくれます。
しばし家を離れるかと思うと少し寂しいですが、そんな思いは振り払って出発。

さて、どれくらいの時間が経ったでしょうか。

なんとか自力で「エコダー」という小さな街にたどり着きました。
せっかくなので、ガイドブック片手にコーヒーを飲み、

ホットドッグをほお張り、とりあえず異国ムードに浸ってみます。

おっ! テキサス!?

そして、ついに留学先に到着!

なんとなく、

というか確実に、

お気づきの方もいるでしょうが、

実はココ……

武蔵大学でした〜!
※ここまで、全編「江古田」ロケでお送りしました。

そう、僕の通う武蔵大学には0円で留学できる施設があるらしいんです。
その名も「Musashi Communication Village(通称MCV)」。

さっそく行ってみましょう〜。

英会話レッスンやさまざまなプログラムが無料で

MCVとは、武蔵大生なら誰でも「無料で」利用できる外国語学習スペース。英会話レッスンはもちろん、外国語に親しむためのさまざまなプログラムが用意されています。詳しい話を聞くためにとりあえず受付へ。と、ここで最初の関門。どうもMCVには、あるモノがないと入れないようなんです。

初田

こんにちは〜。初めてなんですが……。

学生
スタッフ

ようこそMCVへ! ここに入るにはパスポートが必要なんだ。キミも作るかい?

初田

もちろん! よろしくお願いします!

学生
スタッフ

OK。利用するときには毎回、これを持ってきてね!

無事パスポートをゲットしたあとは、施設の使い方などを教わります。初体験の僕を案内してくれたのは、英語ペラペラの福澤くん。ここMCVでは、現役の武蔵大生が学生スタッフとして活躍しているんです。

MCVの公用語はなんと「英語」! 施設内は、外国語と日本語が使える「RELAX AREA」と、外国語だけで話す「FOCUS AREA」に分かれています。

ここから先は「FOCUS AREA」。日本語が使えないとなると身構えてしまいますが、留学先では当たり前。外国気分を味わうにはまさにうってつけです。でも、まさか自分の通う大学内で留学を疑似体験できるなんて!

※ここからは、本コラムも日本語禁止でお送りします。

1 Begin by going through the disembarkation? procedures. Complete the clearance as quick as a wink after I pass the barcode attached to passport over a code reader to scan.
2 I found a foreign student who indulged in chatting, so I tried to join in the chat at first. The conversation was actually all in English, but I could fit into the atmosphere of the chat.
3 Next, go to the foreign magazine section.『National Geographic』『TIME』etc…there are many different books, which stimulated my curiosity, so I couldn’t help browsing.
4 Then, Mr. Tony who is MCV staff appeared in front of me. Thanks to his open-minded and friendly attitude, we could become fast friends as if we have been friends for long. Oh, how great study abroad is! (in University, though)

日本語訳はコチラ

※やっぱり読みづらいので、日本語に戻します(笑)。

キレイなドイツ人留学生、Julia Swoboda(ユリア スウォボダ)さん。ウチの大学にこんなステキな女性がいたなんて!
緊張のため気のきいたセリフが出ず、とりあえず求婚してみました……。

FOCUS AREAの一角に「今週のフレーズは『Ça va ?』」と書かれた黒板を発見。みんなが僕に「Ça va ?」と声をかけてきたけど、どういう意味だかわからない。とりあえずノリで「mamma mia!(なんてことだ!)と答えたら爆笑されてしまいました。

※「Ça va ?」はフランス語で「元気?」という意味。「Ça va bien!(元気だよ!)」と答えるのが正解でした。ちなみに「mamma mia!」はイタリア語。

RELAX AREAでは、英訳された『ONE PIECE』『NANA』など日本の有名マンガ 1 を読むもよし、DVDを観たり、みんなでワイワイ「モノポリー」などのボードゲーム 2 をやるもよし。楽しみながら、思う存分外国語に触れられます。

そのほか、壁には世界各地から送られてきた絵はがきがマッピングされていたり 3、ひと息つきたいときにはコーヒーも飲めちゃう(コーヒーは100円)4

Let’s cook! 体験プログラムに参加してみた

ひと通り施設を案内してもらったあとは、体験プログラムへ。MCVではほぼ日替わりでさまざまなプログラムが用意されていますが、この日はみんなで料理を作る「Cooking Class」とのこと。当然、調理の説明も会話も、すべて英語で行われます。
※参加には事前申し込みが必要です。

ハロウィンが近いということで、メニューは「Pumpkin Pudding(かぼちゃプリン)」。まずは中村詩のぶ先生から、作り方の説明を受けます。手順は省略しますが、30分ほどで無事完成! ピザやタコス、チヂミなど、メニューは毎回違うそうです。

作業をしながら自然にコミュニケーションがとれるので(もちろん英語で!)、すぐにみんなと打ち解けられました。先生もやさしいし、いじったりいじられたり、食べさせたり食べさせられたり、和気あいあいとした雰囲気。

外国の方に日本の伝統文化を紹介してみよう

さて最後は、今回の“超”短期留学のメインイベント、外国の方に日本文化を紹介したいと思います。みなさんもうすっかりお忘れかと思いますが、前日の準備は、すべてこのためにあったと言ってもいいでしょう。

せっかくなので、ワタクシ初田、着替えさせていただきます。

満を持して選んだのは、日本の伝統的な遊び「折り紙」。お相手は、先ほどお会いしたナイスガイ、トニーさん。ちなみに、トニーさんは車で有名なアメリカのデトロイト出身。日本では海兵隊に所属していたんだとか。MCVではフリー・トークのほか、毎週学生と一緒にバスケットボールをしているそうです。

初田

今日は日本の文化を紹介するね。折り紙は知ってる?

トニーさん

ああ、聞いたことはあるよ。

初田

では、兜(かぶと)の折り方を伝授します!

トニーさん

兜って何?

初田

ジャパニーズ……ソルジャーズ……

トニーさん

OK、ヘルメットのことだね!

初田

ここをこう折って……そうそう! うまいね!

トニーさん

マジで!? やったー!

トニーさんとは、折り紙を通じてすっかり意気投合。

折り紙以外にももっといろいろ教えてあげたかったけど、いざ教えようと思うと、意外と自分が日本のことを知らなかったことに気づきます。まあ、最後にお茶と団子を振る舞うこともできたし、よしとしよう。

勉強するというより、英語を使って楽しむ場所

最初は緊張もしたし、うまく話せるかどうか不安でしたが、いざ飛び込んでしまえば何とかなるもの。いろいろな国から来た人と、不完全ながら「英語」というひとつの共通言語で通じ合えたのは、なんだか不思議な感じがしました。

MCVは、外国語を勉強するというより、外国語を使って楽しむ場所。言いたいことをうまく伝えられず悔しい思いもしましたが、この感覚が外国語を勉強するモチベーションになるのかも。というわけで、僕もさっそく次回の“Short Lesson”クラスを申し込んじゃいました!

■ 施設紹介
Musashi Communication Village(MCV)
楽しく気軽に外国語を学べるスペースとして、2012年10月にオープン。民間の英会話スクールによる少人数制英会話レッスンや英語学習カウンセリングをはじめ、異文化体験イベントなどの各種プログラムを学生に無料で提供。常時行われているネイティブスタッフや学生スタッフとのフリー・トーク、留学生との交流など、外国に近い環境の中でコミュニケーションを楽しむことができる。

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各種プログラムに参加するとスタンプが! 8つ(6種類)集めるとコーヒーチケットがもらえます。