そもそも「産学コラボ研究会」って、どんなことしてるの?
「産学コラボ研究会」のメインの活動は、一般企業から依頼を受けて商品を開発すること。たとえば最近では、すき焼きの老舗、人形町今半と一緒に、お弁当の開発から調理・販売まですべてを手がけるプロジェクトを行いました。また日清シスコとは、発売50周年を迎えるロングセラー商品「ココナッツサブレ」の新フレーバー開発でコラボレーション!

■人形町今半「菜食健び〜ふ弁当」
創業明治28年の老舗とのコラボ。黒毛和牛&今半のタレを使った、メインの肉巻きおにぎりが自慢。1日限定発売。800円。

■日清シスコ「さくらんぼサブレ」
テーマは「春に楽しみたいサブレ」。お菓子では珍しいさくらんぼ味、香りも◎。2015年1月より全国で期間限定販売。150円。
その他にも、某有名コンビニチェーンの商品の食味検査(味などのチェック)をしたり、あるときは日本テレビ「ZIP!」の依頼を受けて、たこ焼き器でお菓子をつくった、な〜んてことも。
プレゼンから販売まで、商品開発の流れはこんな感じ!
商品開発は、まず企業から与えられたテーマをもとに、各自アイデアを出すところから始まります。コンセプトの立案から、試作品づくり、プレゼン、場合によっては調理・販売まで行うことも(下記は、人形町今半「菜食健び〜ふ弁当」の販売までの流れ)。

(1)まずはアイデア出し
5〜6人のグループで話し合い商品コンセプトを考えていく。最初はとにかく数が勝負!

(2)試作品をつくる
レッツクッキン! 誰でも作れるように手順を工夫していくのは、なかなか難しい〜。

(3)プレゼン&試食会をへて…
商品のコンセプト、ターゲット、値段、味、見た目などを企業の方の前でプレゼンする。

(4)いよいよ調理&販売!
お弁当などの場合、調理&販売まで行うことも。企画だけでなく学べることがたくさん。
ちなみに、さくらんぼサブレの場合、アイデア出しの段階では「グリーンカレーサブレ」「枝豆サブレ」「プリンサブレ」など変わった案も。その後「さくらんぼ」「ハニーレモン」「つぶつぶ苺」の3つに絞られ、試作品づくりと試食をへて、ようやく「さくらんぼ」に決まったそう。
アイデア出しではとにかくたくさんの数を出す発想力、またプレゼンでは論理的に伝える力も試されます。こうした経験をすることで、商品開発の仕事に興味を持つ学生もいるとか。
せっかくなので、ためしに新作弁当を依頼してみた。
商品開発の様子を見てみればわかるとおり、かなーり本格的。せっかくなら、その実力をもっと知りたいってことで、我々トーキョー学生図鑑のために「新しいお弁当を考えてください!」と、図々しくも依頼してみました。
で、できあがったのが、こちら!
雑穀米は食物繊維が豊富。噛みごたえがあるので、食べすぎ防止にもおすすめ。
2 鶏ささみの梅チーズ焼き
ささみは低脂肪高たんぱく。たんぱく質が肌や髪を健やかに保ってくれる。不足しがちなカルシウムはチーズで。梅の酸味でさっぱりと。
3 フルーツ
美肌に欠かせないビタミンCを摂取できる、キウイやオレンジなどが◎。彩り豊かで目にもおいしい。
4 れんこん豆腐ハンバーグ
豆腐を使ってカロリーダウン。含まれる大豆イソフラボンが若々しさをサポート。また、れんこんの食物繊維が腸内環境を整えてくれる。
5 菜の花の粒マスタードあえ
ビタミン・ミネラルが豊富な菜の花は、お肌に◎。アクセントに粒マスタードを使い、醤油の量は控えめに。
6 ひじき入り卵焼き
鉄分を多く含むひじきで、女性に多い貧血を予防。サクラエビでカルシウム補給。
最近、お弁当派の女子高生や女子大生には美や健康に気をつかっている人が多いということで、コンセプトは「美容」。誌面上の都合でサクッと完成した感じになってますが、このお弁当ができあがるまでには、長い長〜い戦いがあったのです。
ヘルシーさを追求! 栄養はもちろん、見た目もね。
まずはコンセプトを決め、食材をセレクトし、レシピの叩き台をつくったら、その後メニューごとに各栄養素の量を計算。レシピをつくる際には、Excelのシート(下記)を使って栄養素のバランスを見ていきます。
今回はヘルシーさが求められるので、「エネルギー」と「脂質」の項目を細かくチェック。サラサラヘアには「たんぱく質」、お肌はやっぱり「ビタミンC」など、食材そのものはもちろん、分量にいたるまで微調整を繰り返します。もちろん栄養だけじゃなく、見た目も大切。全体的に茶色いので、フルーツで彩りが出るよう工夫しました。
最後に、産学コラボ研究会をよく知る広報企画部の芝さんに試食してもらったところ……ご覧の効果!
え、写真が小さくてよくわからないって? そんなあなたは、おうちで実際につくって、確かめてみてくださいね!
お弁当のレシピはこちらからダウンロードできます。
「ピチピチ美容弁当」のレシピ
■ クラブ紹介
産学コラボ研究会
学校法人食糧学院が運営する東京栄養食糧専門学校、東京調理製菓専門学校の学生たちによるクラブ活動で、企業や食品メーカーとコラボレーションして、商品やメニュー開発を行う。専門学校で学んだ栄養・調理の知識と学生ならではの斬新なアイデアで、商品コンセプトの立案から調理・販売まで幅広く活動中!