大都会東京に憧れ、大学院進学を機に九州から上京してきました。地元は大分県の日田市。山に囲まれた盆地で、夏は暑く冬は寒い厳しい環境です。漫画『進撃の巨人』の作者の出身地でもあります。さて、長く憧れた東京の街に意気揚々と出向いてきたわけですが、ここで僕は自分の故郷よりも遥かに過酷な環境を知ることになります。それは大学の研究者という道です。学費を払いながらの労働、親への負担、見えない将来、研究室の閉塞感。今の自分の立場から見る東京はまるで砂漠のようで、多くの人が行き交う煌びやかな繁華街も蜃気楼のように僕をすり抜けていきます。伸ばした手が掴むのは、つり革とピペットと実験用のマウスだけ。僕はこのマウスたちのように狭い箱の中で死を待つだけの存在なのか。このマウスたちだけでなく僕自身もまた、科学の進歩のために必要な犠牲の一つだったのか……。いや、おかしい、そんなはずはない。誰にだって幸せになる権利はあるはず。科学は、人類の幸福のためにあるはず。そうだ、嘆いている場合じゃない。僕が立ち上がらなくては、僕が行動しなくては。そしてそのために必要なのは、仲間……。というわけで、皆さんには研究者の道への興味を少しでも持ってもらえるよう、楽しい実験や明るい研究室の紹介をしていきます^^。よろしくお願いします^^。